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ひさしぶりに実家に帰った。
電車は、ドアの脇のボタンを押さないと
出られない仕様になっていた。
単線なので、すれ違いに5分待つ。
田植えがそこいらじゅうで行われている。
ぴやぴやと点線を描く稲の苗と、
田植え機をゆっくりと押す人の姿が、
田の水面に映っている。
田んぼの間を分け入るように、
といったら少しオーバーな程度の、
田んぼだらけの
車窓の風景。
高校に通うのに、
3年間見続けた景色だ。
そんな景色から
なぜか目が離せない。
まるで初めて見たかのように
目が離せない。
あの建物はあいかわらずここにあるし、
この駅にはやっぱり屋根とベンチしかない。
なにも変わっていないのに、
その景色から目が離せない。
何度も見たはずの、田舎の景色。
その景色に、
何かを感じるのは、
今回が初めてだった。
目が離せないほど
惹きつけられたのは、
初めてだった。
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