
IR experiment -1
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「いやあ、こっちもいいもの見せてもらいましたよ。」
なかなかユニークなドクターだった。
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左手首で数ヶ月前から存在感を増していた、正体不明のしこり。
ネットで調べてみたら、多分ガングリオンということで、外科に行ってきた。
診察室に入ると、温和な感じのやせたドクター。
100万くれたら保阪尚希に似てると言ってもいい風貌。
おもむろに左手のしこりを押し(いってぇーーー)言う。
「多分ガングリオンだと思うんですけどね。」
ガングリオンなのであれば、痛みさえ気にならなければ処置は絶対必要なわけではなく、
摘出手術をするかどうかは自分で決めてよい、ということだったので、
さわると痛いから、という理由で摘出を決める。
ガングリオンの摘出は、長くて1時間、早かったら30分程度で終わるらしい。
ぷすぷすと麻酔が打たれ、しばらくしてからおもむろに手術が始まる。
痛くはない、もちろん。でも、プチンプチンと何かが切られているような感覚がある。
麻酔ってすごいな、全然痛くないんだな、なんてことを考えながら、
術前の意味のない緊張感が失せ、何もせずに横になっているのに飽きてきた頃、
ドクターの手が突然止まる。
棚で何かを探し始める。が、見つからないらしい。
看護婦を呼んでヒソヒソと何か言っている。ヒソヒソ話なので、聞こえない。
何を話しているんだろう、と少し心配になったところで、ドクターが一言。
「これはガングリオンではないですね。血管の腫瘍です。」
目つきがさっきとぜんぜん違ってる。めっちゃするどいじゃないか!
しかも汗だくになってるし。ひえー!
そっから先、堰をきったかのように話しながら手術を進めるドクター。
「いやあ、ひどいな、これは・・・。」
「いやあ、すごい・・・。」
「血管瑠の卵って感じだなあ。(なんだそりゃ)」
「静脈性腫瘍ですねえ・・・」
「血管がこう、渦を巻いて絡まって腫瘍になってるんですねえ・・・」
マスクの下でぼそぼそと言うもんだから、何を言ってるのかよくわからないが、
とにかくよく喋る喋る。
そして、ぱっくりと開いた皮膚の中に指を突っ込み、中をぐりぐり探ったりしている。
途中から、やってることをずっと眺めていたが、、非常に面白かった。
ちょっと何もしないと、穴の中から血がぶわーっと溢れるのだ。すげえ。
写真撮らせてもらえばよかったな・・・。
そして、1時間半後に終わった手術。
診察室の机の上に、ホルマリンに漬けられた、腫瘍にまみれひどい有様の血管が置いてある。
血管に腫瘍が絡まるようにくっついている絵を書きながら、腫瘍について説明するドクター。
「腫瘍がくっついてたこの静脈は結んで切って閉じましたので。」
「(オレ)え?じゃあ、その静脈にもう血は通らないんですか?どうなるんですか、その静脈は?」
彼の説明では、結んで切ったことによって、その血管は血を運ぶ管としての役割を終えたらしい。
切断された血管の絵に向かって、なぜか無言で合掌するドクター。なんて人だ・・・。
ちなみに、冒頭のセリフは、10分ほどの説明の最後にドクターが発した一言である。
あんなとこにあんな風に静脈の腫瘍が出来るのはめずらしかったらしい。
とても楽しい人だったが、腫瘍の生検の結果が出るのは2週間後。
悪性の可能性はないと言っていたが、、、やっぱりちょっと心配だったりする。
あ、だんだん麻酔切れてきた。。。














